昨日の患者
家族に死に様を見せる
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.1170
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211752
- 販売していません
- 文献概要
現代の日本では病院で亡くなるのが普遍的であり,肉親の死を身近に看取る機会がないため,死を非日常的なことに捉えがちである.家族に看取られ,死に往く姿を見せつつ亡くなった患者さんを紹介する.
Tさんは90歳代前半の大腸癌術後患者であった.術後経過は良好であったが,術後3年目に誤嚥性肺炎を伴う癒着性腸閉塞で再入院した.絶飲食と持続吸引で腸閉塞は治癒したが,肺炎は増悪した.そして全身状態も悪化し,無尿となり,血圧も低下した.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.