特集 ケアのプロセスを見える化する
訪問看護をプロセスで見せる
佐野 けさ美
1
1東京大学大学院工学系研究科
pp.621-628
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200755
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認知度から訪問看護をみる
地域包括ケアシステム構築の推進が叫ばれて久しい。病院での医療を終了し、患者が地域で療養しながら自立した生活を営むとき、懸け橋の役割として訪問看護の存在は欠かせない。しかし、訪問看護の認知度については、医療介護関係者以外では、「『在宅医療』という言葉は聞いたことがあるが、どのようなことかわからない」という人が50%を超えているという調査結果もある*1。このことから、一般の医療・介護サービスを受ける人々の半数以上が、訪問看護が地域に存在していることを知らない状況であると思われる。
病院や診療所の職員のなかでも、訪問看護の効果的な活用方法を十分に知っている者はまだ少ないのではないだろうか。さらに介護支援専門員(以下、ケアマネジャー)であっても、訪問看護の役割と機能を理解して、サービス計画に訪問看護サービスを活用する術を熟知しているとは言いがたいのが現状である。
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