書評
—田島知郎(編)千野 修,田島厳吾(編集協力)—ジェネラリストのための外来初療・処置ガイド
小西 敏郎
1
1東京医療保健大・医療栄養学
pp.96
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211490
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評者自身のことで恐縮であるが,つい最近バングラデシュの首都ダッカ滞在中に,ホテルの階段で足を踏み外し転落した.最上段から10段も落下し,激しく右肩を床にぶつけ,肩関節が脱臼となった.元外科医とはいえ,古希を迎えての単身旅行,言葉が不自由な外国,しかも開発途上国であり,夜8時のことである.この話を聞いた友人全員が,さぞや治療に難渋したことであったろう,と大いに同情してくれた.
だが実際は,駆けつけたホテル従業員がすぐに,私を招いた現地の外科医にスマホで連絡してくれた.彼は,直ちにホテル近くの緊急病院の整形外科医に連絡を取ってから,車で駆けつけて,そのクリニックに私を運んでくれた.整形外科医は苦痛で顔を歪める私に英語で問診しながら,視診・触診しただけで即座に診断し,単純X線,CT/MRIや血液検査をすることなく,無麻酔で整復してくれた.転落してからわずか30分で脱臼は整復され,激痛はたちまち軽減した.
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