Japanese
English
臨床報告
腹腔鏡下胃バイパス術で治療しえた腸石が原因と思われた十二指腸憩室穿孔の1例
A case of laparoscopic gastric bypass for a duodenal diverticular perforation caused by an incarcerated enterolith
都築 英雄
1
,
髙杉 遥
1
,
谷木 利勝
1
Hideo TSUZUKI
1
1JA高知病院外科
キーワード:
十二指腸憩室穿孔
,
腸石
,
腹腔鏡手術
Keyword:
十二指腸憩室穿孔
,
腸石
,
腹腔鏡手術
pp.91-95
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211489
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要旨
症例は94歳,女性.右季肋部痛と嘔吐を主訴に紹介入院となった.腹部CTで後腹膜ガス像と十二指腸周囲の高度な炎症を認めた.手術を希望せず,保存的治療を行った.上部消化管内視鏡検査と造影検査で腸石が原因の十二指腸憩室の後腹膜穿孔と診断した.穿孔の自然治癒後,上部消化管内視鏡下に腸石を除去したが,腹痛と嘔吐が続いた.憩室への食物の流入が原因と考えられ,再穿孔も危惧された.憩室の切除は困難と考えられたので,憩室内に食物が入らないように腹腔鏡下胃空腸バイパス術を行った.術後,症状は消失した.憩室穿孔は緊急手術が基本だが,保存的治療例も報告されている.穿孔部位の閉鎖症例では,バイパス術も選択肢となりうると考える.
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