図解!成人ヘルニア手術・10 忘れてはならない腹壁解剖と手技のポイント
閉鎖孔ヘルニア修復法
内藤 稔
1
Minoru NAITO
1
1独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター
pp.328-337
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211115
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■ はじめに
骨盤の寛骨臼の下方には,恥骨および坐骨で囲まれた閉鎖孔があり,ほとんど閉鎖膜で覆われている.その前下方に裂孔があり,閉鎖血管・閉鎖神経が通る.この部は閉鎖管と呼ばれ,ここを通じて腸管が大腿内側に脱出するものを閉鎖孔ヘルニア(obturator hernia)という.近年,平均年齢の上昇とともに症例は増加している.診断に時間を要していた20年くらい前は死亡率も高かったが,CT検査による早期診断が普及してからは予後の改善が認められる1,4,6〜8).本稿では,診断の重要性・局所の解剖について解説する.
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