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当院のある合志市は,県庁所在地である熊本市の北12 kmに位置し,西に阿蘇山を臨み,阿蘇の火山灰が降り積んだ黒石原に広がる県内有数の穀倉地帯です.近年,熊本市のベッドタウンとして新興住宅地が次々と開発され,人口減少時代を迎えながらも人口の増加が見込まれている数少ない街のひとつでもあります.病院は東京ドーム5個分の広大な敷地に建てられ,自然が豊かで様々な木々に囲まれた閑静で空気も澄んだ快適な療養環境にあります.合志市や病院のシンボルツリーであるクヌギの木も多く,夏にはカブトムシやクワガタを捕ることもできます.交通アクセスは,阿蘇熊本空港や高速道路九州縦貫道からは車が便利ですが,熊本市からは熊本電気鉄道が繋がっています.この鉄道は渋谷ハチ公前広場に置いてある緑色の電車,東急5000系 通称「アオガエル」が現役で走る全国唯一の鉄道として有名だそうです.最近ではあの「くまモン」が外壁に描かれた「くまモン電車」も走っており,当院へお越しの際はこの電車に乗ってみるのも一興かと思います.
さて,当院の病床数は513床ですが,政策医療と急性期医療の混在する形を採っています.1941年に国立療養所として開設,翌年傷痍軍人療養所再春荘として創設され,結核や呼吸器疾患を診療しましたが,1945年より国立療養所再春荘と改称され,広く地域住民の診療にあたることになりました.1968年に重症心身障害児病棟,1970年には進行性筋ジストロフィー病棟が開設され,1999年には神経難病やその他の政策医療を担う専門医療施設として位置づけられました.その後,2004年に独立行政法人化に伴い,国立病院機構熊本再春荘病院と名称を改めるとともに,慢性期医療と急性期医療の両立を図る方針を推進しました.2010年には熊本県指定がん診療連携拠点病院の指定,2012年には地域医療支援病院として承認されました.
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