Japanese
English
臨床報告
メシル酸イマチニブによる術前化学療法にて完全奏効を得た胃GISTの1例
A case of a gastric gastrointestinal stromal tumor in which a pathological complete response has been achieved after neoadjuvant chemotherapy with imatinib mesylate
村上 裕樹
1
,
尾崎 知博
1
,
齊藤 博昭
1
,
若月 俊郎
1
,
池口 正英
1
Yuuki MURAKAMI
1
1鳥取大学医学部病態制御外科
キーワード:
胃GIST
,
完全奏効
,
術前化学療法
,
メシル酸イマチニブ
Keyword:
胃GIST
,
完全奏効
,
術前化学療法
,
メシル酸イマチニブ
pp.781-785
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210790
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要旨
症例は70歳代,男性.息切れを主訴に当院を受診した.上部内視鏡にて胃穹窿部後壁に潰瘍形成を伴う壁内発育型の粘膜下腫瘍を認め,生検にて胃gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断した.腹部CT検査では横隔膜・膵・脾への広範な浸潤を疑う約12 cm大の巨大腫瘍を認め,局所進行GISTと診断した.手術の術野および安全性確保と機能温存を目的とし,メシル酸イマチニブによる術前化学療法を行った.治療後のCTでは,腫瘍は約40%縮小していた.手術は噴門側胃切除・膵体尾部・脾・左横隔膜合併切除を施行した.著明な腫瘍縮小のため良好な視野が確保され,安全に手術を実施できた.術後の病理組織学的所見では腫瘍細胞は認められず,術前化学療法にて完全奏効が得られていた.現在,補助化学療法としてメシル酸イマチニブを内服中で,術後2年間無再発生存中である.胃GISTでは完全奏効例はきわめて稀であるため,報告した.
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