特集 鼎談
術中トラブルの予防と対策
食道手術
開腹操作のときの注意とコツ
森 昌造
1
,
鶴丸 昌彦
2
,
武藤 輝一
3
1東北大学第2外科
2虎の門病院外科
3新潟大学第1外科
pp.1334-1336
発行日 1989年9月30日
Published Date 1989/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210475
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武藤 次は開腹操作についてですが,切開法は多少違うかもしれませんが,まず上腹部を中心の正中切開でいく場合,たとえば,開胸操作を右開胸で行って,そして体位を変えて,仰向けにしてお腹の操作をするわけです.その場合に,先ほどのお話と関連しますが,左側の胸膜に穴が開いている.実際には下縦隔のところで穴が開きやすいわけで,blunt dissectionの場合にもときにあるかもしれませんが,これもそのままでいいでしょうか.
鶴丸 これも先ほどとほとんど同じですが,ただ,注意しないといけないのは,私どもは普通は腹部にはドレーンを入れないのですが,たとえば何かの加減で膵を合併切除したとか,ドレーンを入れなければならない場合,ドレーンからエアが入ってくることがあります.その場合には,たとえばお腹の方から,横隔膜その他で穴があった場合には,できれば修復した方がいいということです.特に私たちのところでは胸骨後経路の再建ですので,hiatusあたりは必ず締めますが,その時に注意して縫うようにしています.
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