Japanese
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特集 臓器生検の適応と手技
甲状腺生検
Indication and techniques of biopsy:Thyroid
小原 孝男
1
,
藤本 吉秀
1
,
伊藤 悠基夫
1
,
児玉 孝也
1
,
平山 章
2
Takao OBARA
1
1東京女子医科大学内分泌外科
2東京女子医科大学病院病理科
pp.1013-1019
発行日 1989年8月20日
Published Date 1989/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210415
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甲状腺生検法には,穿刺吸引細胞診,針生検,切開生検の3つの方法がある.各検査法の適応,穿刺吸引細胞診と針生検の手技ならびに穿刺吸引細胞診の診断の要点を述べる.自験例615例(1984年〜1988年)のまとめでは,穿刺吸引細胞診の病理組織型別正診率は,腺腫様甲状腺腫90%,腺腫86%,乳頭癌87.6%,濾胞癌38.5%,髄様癌71.3%,未分化癌100%,悪性リンパ腫90%である.また,1987年の1年間では,臨床的に良性結節と判断でき,穿刺吸引細胞診でも良性(I,II)と診断しえた症例が166例ある.そのうち手術を施行したのは1/4にすぎず,残りは手術適応に入れずに経過観察している.これらの成績は,穿刺吸引細胞診が甲状腺腫瘍の診断に有用であることを裏づける.
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