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特集 胃癌治療の最近の話題
噴門部の血流支配とリンパ流からみた噴門部癌の術式
Radical operation for the cardiac cancer in terms of arterial branching variation and lymphatic flow
沢井 清司
1
,
萩原 明於
1
,
谷口 弘毅
1
,
下間 正隆
1
,
高橋 俊雄
1
Kiyoshi SAWAI
1
1京都府立医科大学第1外科
pp.769-775
発行日 1989年6月20日
Published Date 1989/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210374
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術前の血管造影と微粒子活性炭CH40の術前点墨法により噴門部の血流とリンパ流を詳細に観察し,正確な局所解剖に立脚した噴門部進行癌の合理的な手術術式を開発した.①左下横隔動脈の食道噴門枝は52%の症例で存在し,存在する場合のみ噴門から左下横隔動脈に沿うリンパ流を認め,左下横隔動脈の根部切離による郭清を要する.②左下横隔動脈の起始部は腹部大動脈65%,腹腔動脈32%,左胃動脈2%の頻度であり,起始部変異に応じた郭清法が必要である.③左肝動脈から分岐する副左胃動脈は17%の症例で認めた.この場合には噴門から肝十二指腸間膜に向うリンパ流を認めNo.12の郭清が必要になる.④CH40によるリンパ流の観察では噴門からNo.16に向うリンパ流は豊富であり,食道に浸潤した進行噴門癌にはNo.110,111を含むR2+No.16郭清を行うべきである.
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