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書評「噴門部癌アトラス」
浜田 勉
1
1平戸市国民健康保険度島診療所
pp.482
発行日 2011年4月25日
Published Date 2011/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102188
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噴門部とされる食道胃境界部のごく狭い範囲は,X線検査においても内視鏡検査においても観察が不十分となりやすく,病変の認識および診断,特に癌の早期発見がしばしば困難である.多くの消化管の専門家ですら経験できた症例は少なく,日常臨床検査で大きな盲点となってきた.
編集代表である西俣寛人氏は,噴門部癌における膨大な症例の集積と多数の研究論文を発表してきた日本における第一人者であり,まさに,『噴門部癌アトラス』は待望の書と言えよう.本書で示されている多くの症例画像は,西俣氏と鹿児島南風病院グループが噴門部癌にじっくり焦点を合わせ,症例を長年にわたり追い続けた結果の集大成であり,薩摩魂の真骨頂をみせている.
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