カラーグラフ Practice of Endoscopy
食道内視鏡シリーズ・Ⅷ
内視鏡超音波検査—ラジアル式(その2)
村田 洋子
1
,
井手 博子
2
,
鈴木 茂
2
1都立駒込病院外科
2東京女子医科大学消化器病センター
pp.584-586
発行日 1989年5月20日
Published Date 1989/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210347
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正常食道壁
EUSにて正常食道壁は,高エコーと低エコー層が交互に重なり5層に観察される.この5層のEUS像の各々が,食道の組織標本のどの部分に当たるかをみるため,切除標本にゼラチンを注入し組織と対比したところ,第3層高エコー層は粘膜下層(sm)に,また第4層低エコー層は固有筋層(mp)に相当していた1).さらに,in vitroで正常食道壁を生検鉗子にて表皮のみを生検(生検組織で確認)し,この標本を水槽内で7.5MHzのプローブで観察すると,第1層が消失していた(図1).このことより,第1層は境界エコーを含む粘膜上皮に相当すると考えられた.また,第1層の下に薄くやや淡い層が観察されることもあり,これが粘膜筋板(mm)を含む粘膜固有層(1pm)と考えられた.
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