表紙の心・15
—外科と内科と基礎の掛け橋—グザヴィエ・ビシャーの像
大村 敏郎
1,2
1川崎市立井田病院外科
2慶応義塾大学医史学
pp.403
発行日 1989年3月20日
Published Date 1989/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210317
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前回紹介したデソー(Pierre Joseph Desault,1738〜1795)の業績や思想を書き伝えたのは弟子のマリー・フランソア・グザヴィエ・ビシャー(Marie-François Xavier Bichat,1771〜1802)である.31年の短い生涯の間に医学の世界で大きなカスガイの役を果した人物である.それは臨床医学と基礎医学を結びつけ,内科と外科を近よせたことである.
フランス東北部のトアレットで生れたビシャーは20歳でリヨンに出てマルク・アントアヌ・プティ(Marc Antoine Petit,1761〜1811)に2年間学び,ついでパリに出てデソーに3年間師事した.いずれも当時の代表的な外科医である.デソーとの師弟関係には「デソーの包帯法」にまつわるエピソードがある.
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