特集 これからの国際保健医療協力
国際協力におけるNGOの役割—国内と国外をつなぐ掛け橋として
中村 安秀
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1大阪大学大学院人間科学研究科ボランティア人間科学国際協力論講座
pp.256-260
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902709
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アフガン難民キャンプで学んだこと
私が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)保健医療担当官としてパキスタンの首都イスラマバードに赴任したのは,1990年3月であった.わずか1年間の在任だったが,国連機関,NGO(non-government organization),難民の人々から得たものは大きかった.
当時は,約320万人といわれる世界最大の難民集団であったアフガン難民キャンプの保健医療は,パキスタン政府が管轄する診療所131カ所とNGOが管轄している診療所90カ所が担っていた.国境なき医師団,セーブ・ザ・チルドレン,ケア,オクスファムなど,世界中から国際NGOが集結していた.
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