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連載 神経学を作った100冊(18)
ビシャ「諸膜論」(1799年)
One Hundred Books which Built up Neurology (18)―Xavier Bichat: Traite des membranes en general et de diverses membranes en particulier (1799)
作田 学
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
pp.698-699
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100301
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マリ・フランソワ・グザビエ・ビシャは1771年11月14日,フランス東部にあるジュラのトワレットに医者の子として生まれた。1791年リヨンの外科医MAプチのもとで医学を学び,短期間従軍した後,1793年パリへ移った。まもなくオテル・ディユ(人類病院)で行っていた外科医で解剖学者のピエール・ジョセフ・ドソーの講義を聴講したことがきっかけとなり,ドソーにその才能を認められ,彼の家への住み込みを許された。1795年ドソーの死後,生前ドソーが従事していた外科学雑誌の仕事を継ぐとともに彼の業績を編集し,1798年に出版している。このころ彼は外科医をやめ,解剖学,外科学,生理学の講座を開いて成功し,数人の友人とともに医学競進協会(Societe Medicale d'E´mulation)を設立した2)。彼はその中心人物として,医学界であたかもロケットのようなスタートを切る。なお,この協会にはフィリップ・ピネルも喜んで参加していた。
1796年には,サンミッシェル街からさらに奥まった,グレという小径に小さな解剖教室を開いた。そこでは解剖の示説に加えて動物実験による諸器官の機能を呈示するという新しい試みを行い,彼の解剖学者としての名声は次第に高まってゆく。この教室はやがて公認され,1798年にはカルム路に移った3)。当時,このような個人講座は,21カ所あったという2)。
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