老医空談・6
用語心傷
斉藤 淏
pp.250-251
発行日 1989年2月20日
Published Date 1989/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210293
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外科臨床の場に限ったことではないが,この頃は日常用語の使い方で心を傷める場合が少なくない.科学的診療と保険医療の普及している現代だから,無視・不知ではすまされないように思う.臨床は人権主張と風俗習慣の交錯するところでの仕事であるから,とくに心傷ケースは多いのだと思う.その中からまず周辺の2,3の例を取りあげ,最後に年来気にしている「投薬」を引き合いに出すことにします.
専門用語.日独英混用が普通である.最近はカタカナや略語が混入し,それに新敬語調が加味される.国語の乱れは専門家でなくとも気にかかる.それにしても,バイオエシックスの問われている最中に軽々しく専門用語が挿入されては,いよいよ混乱を招くおそれがある.
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