座談会
新しい経腸栄養の時代を迎えて—現状と展望
碓井 貞仁
1
,
畠山 勝義
2
,
中島 泰子
3
,
岡田 正
4
1千葉大学医学部第2外科
2新潟大学医学部第1外科
3大阪大学附属病院栄養治療室
4大阪大学付属病院小児外科
pp.1658-1666
発行日 1988年10月20日
Published Date 1988/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210200
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司会(岡田) それでは座談会を始めたいと思います.
最近,静脈栄養法,さらには経腸栄養法と外科栄養法がずいぶん進歩したことはご存じのとおりです.このような栄養治療の中で経腸栄養法はますます今後使用範囲が広くなり,その意義が高まりつつあるようです.ところがその反面,静脈栄養法に比べはるかに多くの各種経腸栄養剤が市販され,また現在も治験が続けられてきており,その使用法,適応につき必ずしも十分に理解されずに用いられているのが現状です.さらにまた,このうちのあるものは薬品として登録され,またあるものは食品として登録されている状況であり,したがって各施設によっては薬剤師が扱うべきなのか,栄養士が扱うべきなのか,非常に混乱をきたしています.また保険請求に関しても,薬品か食品かによってずいぶん異なってきますが,その問題も未解決です.さらに経腸栄養剤の今後のあり方のひとつとして,補食すなわち口から摂取するという意味で,味の問題が重要となってきそうです.従来の院内食との関係も,今後複雑に発展していきそうで,現時点でこれをどのようにクリアーしていくかは非常に大きな問題であります.
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