Japanese
English
臨床報告
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法後に急性腎不全を来した2症例
Acute renal failure after injection of ethanolamine oleate for sclerosing esophageal varices: Report of two cases
吉野 一郎
1
,
橋爪 誠
1
,
北野 正剛
1
,
山賀 博彦
1
,
東 秀史
1
,
杉町 圭蔵
1
Ichiro YOSHINO
1
1九州大学医学部第2外科
pp.1229-1232
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210132
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はじめに
内視鏡的硬化療法(EIS)は,1936年にCrafoord1)が食道静脈瘤の治療として初めて施行して以来,実に約50年の歴史を有するが,今日の隆盛はfiberscopeや硬化剤の開発および手技の改良に負うところが大である.その結果,治療成績の格段の向上を認め,手術療法に代わるものとして急速に普及しつつあるのが現状である.しかしながら一方では,未だ硬化剤の作用機序や合併症についての詳細な報告は少なく,長期の予後とともに今後検討されなければならない課題として残っている.今回,われわれはEIS後に急性腎不全を来した2症例を経験したのでここに報告する.
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