Japanese
English
臨床研究
術後の組織学的検索によりはじめて診断された胆嚢癌症例の検討
Evaluation of clinically occult carcinomas of the gallbladder
山口 晃弘
1
,
蜂須賀 喜多男
1
,
磯谷 正敏
1
,
加藤 純爾
1
,
神田 裕
1
,
松下 昌裕
1
Akihiro YAMAGUCHI
1
1大垣市民病院外科
pp.1103-1110
発行日 1988年6月20日
Published Date 1988/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210113
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はじめに
胆嚢癌は消化器癌のうちでも極めて予後不良な癌腫の1つで,術後の5年生存率は5%以下とするものが多く,本邦における集計では癌が胆嚢筋層を越えて進展すると,根治手術を行ってもその5年生存率は30%に満たないと報告されている1).腹部超音波検査(US)やcomputed tomography(CT)の普及した今日でも,胆嚢癌の術前診断は困難な症例が多く,このことが予後不良となる大きな要因でもある.一方良性の胆嚢疾患として手術をされ,術後の組織学的検査によりはじめて胆嚢癌と診断される症例は術前,術中に癌と診断された症例にくらべ予後が良好で,5年以上生存例はこのような症例に多いとの報告もみられる2)).そこで著者らは自験例のうちから摘出標本でも癌と診断できず,組織学的検索によりはじめて胆嚢癌と診断された10例を検討したので報告する.
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