Caseに学ぶ 一般外科医のための血管外科応用手技・13
術中血管損傷の処理
安田 慶秀
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学第2外科
pp.1081-1085
発行日 1988年6月20日
Published Date 1988/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210109
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はじめに
血管外科の進歩に伴い,今日ではほぼ全身における各種血管病変に対して血行再建術を中心とした修復手術が積極的に行われている.一方,一般外科領域においても術中における血管とのかかわりは多くなってきており,なんらかの方法で血管を処理しなければならない機会も増えてきている.腸管虚血をきたす腹部内臓血管の血行障害や門脈圧亢進症に対するシャント手術などでは,もちろん血管外科の技術が要求されるが最近では悪性腫瘍に対する広範リンパ節郭清,拡大合併手術が盛んに行われ術中血管損傷の機会も増加しており,一般外科領域の手術に対する血管外科手技の導入がますます必要となってきている1).
本稿では術中血管損傷に対する血管処理の基本について述べるとともに,応用の実際の自験例を提示する.
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