Japanese
English
特集 側方進入腰椎椎体間固定術(LLIF)—手術手技,成績,合併症
LLIFにおける術中終板損傷
Intraoperative Endplate Injury in Lateral Lumbar Interbody Fusion
鳥越 一郎
1
,
新井 嘉容
1
Ichiro TORIGOE
1
,
Yoshiyasu ARAI
1
1埼玉県済生会川口総合病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Saiseikai Kawaguchi General Hospital
キーワード:
側方経路腰椎椎体間固定術
,
lateral lumbar interbody fusion
,
LLIF
,
合併症
,
complication
,
術中終板損傷
,
intraoperative endplate injury
Keyword:
側方経路腰椎椎体間固定術
,
lateral lumbar interbody fusion
,
LLIF
,
合併症
,
complication
,
術中終板損傷
,
intraoperative endplate injury
pp.933-940
発行日 2017年10月25日
Published Date 2017/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200727
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はじめに
腰椎椎体間固定において側方経路を選択する最大のメリットは,狭小化した椎体間を横幅の広いcageにより効果的に“持ち上げる”ことにある.その結果,腰椎の前弯が回復し,椎間のすべりや楔状化も改善するため効果的な変形矯正が獲得され,さらにはligamentotaxisによる脊柱管狭窄の間接除圧効果も期待できる4,11,12).椎体間を“持ち上げる”ことが本手技の本質である以上,その足場となる終板が崩れてしまうと,その効果は不十分なものとなってしまう.術中終板損傷の有無が手術の成否を大きく左右する問題と認識されるゆえんである.
側方経路腰椎椎体間固定術(lateral lumbar interbody fusion:LLIF)が本邦に導入されて数年が経つが,種々の合併症が報告されるようになり3),術中終板損傷も注目される合併症の1つである2,10,16).そこで本稿では,当院で施行したLLIF症例を対象として,終板損傷の発生率と形態学的特徴,発生要因,cageの椎体内沈下(subsidence)・骨癒合・臨床成績への影響について,後ろ向きに調査した結果を報告するとともに,術中終板損傷を防ぐための注意点についても述べることとする.
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