特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
肝臓
CUSA,マイクロターゼの使い方
小山 研二
1
,
小玉 雅志
1
Kenji KOYAMA
1
,
Masashi KODAMA
1
1秋田大学医学部第1外科
pp.854-856
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210052
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CUSAに代表される超音波作動組織破砕吸引装置やマイクロターゼに代表されるマイクロウェーブ手術機器の使用にさいしてはまずその作動原理をよく理解し,それに合致した目的で正しく操作することが重要である.CUSAは先端が超高速で微細な前後動を行い対象を突いて破砕する機器である.実質は破砕されやすく脈管はされにくいために脈管のみが選択的に残すことができ,それを切離するか否かは手術の目的に従って術者が決められる.すなわち,CUSAはメスのように鋭利な「切る道具」ではなく,「選択的に残す道具」である.残しやすいか残しにくいかは,破砕したい組織と残したい組織の,衝撃に対する強弱の差で決まる.この差の大きい正常肝は扱いやすく,この差の小さい硬変肝ではCUSAの威力は発揮しにくいのである.
マイクロターゼは,針を刺入して通電するとその部位を中心に径1cmに亘って凝固破壊しつくし,選択性はない.したがってこれを使う場合は,切除すべき部位をあらかじめ超音波検査などで明確にしておかなければならない.
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