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特集 急性腹症のX線像・エコー像
小児急性腹症のX線像・エコー像
X-ray and ultrasonic diagnosis of acute abdomen in children.
内山 昌則
1
,
岩渕 眞
1
,
大沢 義弘
1
,
広田 雅行
1
,
内藤 真一
1
,
広川 恵子
1
Masanori UCHIYAMA
1
1新潟大学医学部附属病院小児外科
pp.635-644
発行日 1988年5月20日
Published Date 1988/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209990
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はじめに
小児急性腹症は,急激な腹部症状発現を伴い,緊急に手術・処置を要する腹部疾患に対しての総称で,主に腹痛・嘔吐・腹部膨満・排便異常・腫瘤触知・吐下血・発熱などの症状を呈する.従ってこれらの症状を持つ新生児,乳幼児疾患は,手術適応や保存療法の決定を含め,すべて鑑別診断の対象となる.
また小児疾患には,新生児・乳児・幼児〜学童と年齢により疾患の頻度差があるので,常に年齢的要素を考慮に入れて診断することが大切である1-4).今回,X線像・エコー像を中心に,急性腹症のレントゲン的診断について,特徴的所見と,鑑別疾患の所見を対比させながら,症例を呈示し,検討した.なお急性腹症に対する方針として,臨床所見・検査所見と単純X線像や消化管造影により診断がつけば,治療や手術を施行しているので,エコー像については主に,腫瘍性疾患,嚢胞形成疾患,実質臓器疾患や外傷などに限られている点を御了承いただきたい.
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