Japanese
English
特集 外科診療における酸塩基平衡の異常
診断と治療の実際—熱傷
Acid-base disturbances in burn patients
前川 和彦
1
,
杉本 勝彦
1
,
高橋 真理
1
Kazuhiko MAEKAWA
1
,
Katsuhiko SUGIMOTO
1
,
Mari TAKAHASHI
1
1北里大学医学部救急医学
pp.467-473
発行日 1988年4月20日
Published Date 1988/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209965
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重症熱傷患者で比較的よく遭遇する酸・塩基平衡の異常は,受傷直後の熱傷性ショック期の代謝性アシドーシスと,晩期に敗血症を合併した時の代謝性アルカローシスである.この代謝性アシドーシスは熱傷性ショックによる循環不全が原因で,アニオンギャップの増加を伴い,乳酸アシドーシスが本態である.輸液によりショックからの離脱をはかることが大切で,重炭酸ナトリウムのoverzealousな投与は避けるべきである.熱傷患者の敗血症期によくみられる酸・塩基平衡の異常は代謝性アルカローシスである.これについての臨床家の関心は低い.その発生にはいくつかの要因が関与していて,多くはCl—抵抗性アルカローシスのようである.
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