Japanese
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特集 いわゆる消化器早期癌の術後再発—その実態と対策
早期大腸癌の初回治療方針と術後再発
Primary surgical policy and postoperative recurrence of early cancer of the large intestine
石沢 隆
1
,
島津 久明
1
,
山田 一隆
1
,
春山 勝郎
1
,
牧角 寛郎
1
,
有本 之嗣
1
,
桂 禎紀
1
,
中野 静雄
1
,
長谷 茂也
1
,
鮫島 隆志
1
Takashi ISHIZAWA
1
1鹿児島大学医学部第1外科
pp.1187-1194
発行日 1987年7月20日
Published Date 1987/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209767
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大腸早期癌の治療方針と術後再発について,自験例の成績と本邦文献上の報告に基づいて述べた.m癌の治療はpolypectomyまたは局所的切除で十分であり,これらの術後に再発はほとんどみられない,あつても局所再発のみである.IIa+IIc型やIIa型のsm癌の一部には,最初から腸切除が行われる場合もあるが,多くのものではpolypec-tomyや局所的切除を行つたのち,転移・再発のrisk factorが明らかになれば腸切除を行う方針で臨んで差し支えない.しかし,リンパ節転移が4〜8%,術後の局所再発が2〜8%,遠隔(血行性)転移が1〜3%の頻度にみられていることは十分に注意すべき点である.sm癌の治療成績も概ね良好であるが,risk factorをもたないリンパ節転移陽性例1.3%と血行性転移例1〜3%,あわせて3〜4%の症例の転移再発は防止できていない現状である.
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