Japanese
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特集 直腸癌の手術
経肛門的超音波断層法による情報
Informations by transanal ultrasonography
桂 禎紀
1
,
島津 久明
1
,
吉中 平次
1
,
山田 一隆
1
,
石沢 隆
1
,
政信 太郎
2
,
西俣 嘉人
2
Yoshinori KATSURA
1
1鹿児島大医学部第1外科
2鹿児島大医学部第2内科
pp.1851-1860
発行日 1988年12月20日
Published Date 1988/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210233
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直腸の早期癌ではポリペクトミーや局所切除,進行癌では肛門括約筋や自律神経の温存術式の適応が問題となっている.経肛門的超音波断層法(TAUS)による直腸癌壁深達度診断の正診率は84%(57/68例)であり,早期癌におけるm癌とsm癌の鑑別や自律神経温存術式の適応と考えられているpm1-2癌の診断が可能であった.TAUSによる旁直腸リンパ節転移の診断成績は,正診率78%(42/54例)でやや低かったが,7.5MHzの機種によるsensitivityは95%(18/19例)と良好であった.TAUSは直腸癌の保存的手術や機能温存術式の適応を決定するうえにぜひ必要な壁深達度やリンパ節転移の有無について,きわめて有用な情報を提供する診断法である.
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