特集 [施設別]悪性腫瘍治療方針のプロトコール
胆管癌治療のプロトコール—長崎大学医学部第2外科
土屋 凉一
1
,
松元 定次
1
Ryoichi TSUCHIYA
1
,
Teiji MATSUMOTO
1
1長崎大学医学部第2外科
pp.868-875
発行日 1987年5月30日
Published Date 1987/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209722
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はじめに
日本における胆道癌(胆嚢癌,胆管癌)の年次別発生頻度は徐々に増加傾向にあり,日本病理剖検輯報の年次別全剖検例数の統計において過去10年間に2%から3%に増加している.また,厚生省人口動態統計でみた胆道癌死亡数は1958年の胆道癌死亡数920人に対し1984年には8802人と9.6倍に増加を示していることなどは注目に値する1-2).胆道癌は肝癌・膵癌と同様に消化器癌の中で最も予後の悪い疾患であるが,これらの治療成績を向上させることが消化器外科を専攻する者に与えられた大いなる課題と言えよう.
当教室ではこれまで胆道癌症例の術後成績を報告してきているが経年とともに切除率,遠隔成績の向上がみられてきている7,9-11).本稿では胆道癌のなかでも膨大部癌を除く肝外胆管癌いわゆる胆管癌について,長崎大学医学部外科学第2教室において過去17年間に経験した胆管癌手術症例118例を検討しながら教室の胆管癌治療のプロトコールを紹介する.
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