Japanese
English
臨床報告
大動脈・大腿動脈バイパス術後7年目に発生した大動脈・十二指腸瘻の1例
A case report of the aortoduodenal fistula developed 7 years after aortofemoral bypass surgery
宮井 芳明
1
,
徳永 敬
1
,
三宅 敬二郎
1
,
清水 康広
1
,
内田 發三
1
,
寺本 滋
1
Yoshiaki MIYAI
1
1岡山大学医学部第2外科
pp.689-693
発行日 1987年5月20日
Published Date 1987/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209699
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はじめに
人工血管移植後に生ずる大動脈腸管瘻(aortoentericfistula,以下AEFと略)は比較的稀な合併症であり,その診断,治療は必ずしも容易でない.最近欧米ではAEFの報告例が増加し,消化管出血の鑑別診断上重要な病態として知られているが,本邦ではこの疾患に対する認識は未だ十分とはいえない現状である.
我々は,右下肢閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosisobliterans,以下ASOと略す)に対する大動脈—大腿動脈(aortofemoral,以下A0-Fと略す)バイパス術7年後に発生した大動脈・十二指腸瘻(aortoduodenal fistu-la,以下ADFと略す)を経験したのでその概要を報告し,若干の文献的考察を試みる.
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