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文献抄録
食道癌切除標本の食道短縮
Shrinkage of the esophagus after resection for carcinonaa
小沢 壮治
1
1慶応大学医学部外科
pp.1685
発行日 1986年11月20日
Published Date 1986/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209576
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食道は切除や固定により切除前に比べてかなり短縮し,新鮮標本を伸展させても元の長さには戻らない.切除断端から腫瘍までの長さは生体内の方が切除や固定後よりも長いが,腫瘍自体はあまり短縮しない.これまでに食道癌症例の非癌部食道の正確な短縮率は報告されていない.また食道癌の手術では切離線を決定することが重要である.本研究では,食道癌の切除材料を用いて種々の部位で生じる短縮率を定量することを目的とした.
〔方法〕香港大学外科にて手術を施行した55例の胸部食道癌切除例を対象とした.術中周囲組織からの授動がすんだ食道に滅菌テープを当て,触診で決めた腫瘍の上縁下縁よりそれぞれ口側および肛側切離線までの長さと腫瘍長径を計測した.次に摘出食道を切開し,口側および肛側の切除断端までの長さと腫瘍長径の3部分を計測した.そのうち43例は最大伸展状態で,12例はホルマリン固定後の状態でも計測した.各部位の短縮率は生体内の長さを対照として算出した.
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