Japanese
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外科医の工夫
食道吻合部狭窄に対するバルーン・ブジー拡張法について
Dilatation of postoperative esophageal stricture with the balloon dilator
山根 哲郎
1
,
相良 幸彦
1
,
山口 俊晴
1
,
竹田 靖
1
,
小島 治
1
,
藤田 佳宏
1
,
高橋 俊雄
1
Tetsuro YAMANE
1
1京都府立医科大学第一外科
pp.635-639
発行日 1986年5月20日
Published Date 1986/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209325
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はじめに
胃・食道癌術後の吻合部狭窄は比較的稀な術後合併症であるが,原発巣切除により術前に訴えていた嚥下障害が一度消失したにもかかわらず再び狭窄による嚥下障害が発症することにより,患者にあたえる精神的不安は計り知れないものがある.従来,術後吻合部狭窄にたいしては硬性ブジー,ラミナリア拡張法,バルーン・ブジー,内視鏡的高周波焼灼法などの方法がとられてきたが,いずれもその効果の不確実さや手技の複雑さ,さらに合併症などが問題となつていた.
今回,われわれは最近経験した6例の食道吻合部狭窄例にたいしてCohen-Gray type balloon dilatation catheter(図1)を用いて良好な結果を得ることができたので本法の手技および結果について報告し,さらに吻合部狭窄の発症の原因について考察を加えた.
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