Japanese
English
臨床報告
突然の呼吸困難で発症した幼児Bochdalek孔ヘルニアの1例
A case of Bochdalek hernia in a child with sudden dyspnea
藤井 一郎
1
,
北村 元男
1
,
広瀬 周平
1
,
高橋 健治
1
,
間野 清志
1
,
寺崎 智行
2
Ichirō FUJII
1
1岡山済生会総合病院外科
2岡山済生会総合病院小児科
pp.369-372
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209281
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はじめに
新生児早期より発生する先天性後外側横隔膜ヘルニア(Bochdalek孔ヘルニア)は,小児外科において最も緊急度の高い疾患のひとつである.特に生後24時間以内に発症した患児では予後不良である.一方,この時期を無症状に経過し,乳・幼児期,学童期になつて発症する場合もまれながらある.これは"Acquired"congenital diaphragmatic herniaとも表現されるが,新生児発症の場合に比べて発症メカニズム・症状・予後などにいくつかの特異な点を有している.
今回われわれは,4歳6ヵ月までまつたく無症状のまま順調に発育した女児が,突然の呼吸困難で発症し,X線検査で診断,手術にて全治せしめた1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
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