Topics・3
NMR imaging(MRI)の臨床応用—肝・胆道,肝門部・膵・脾
宮川 昭平
1
,
眞野 勇
2
,
吉田 英夫
2
,
五島 仁士
2
1東芝中央病院外科
2東芝中央病院放射線科
pp.345-348
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209276
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肝
肝は呼吸運動のため,輪郭も内部構造も鮮明には描出されず,脂肪肝,肝硬変なども形態的にも緩和時間情報の点でも診断困難である.硬変肝に発生する肝細胞癌も,中心壊死部で緩和時間の延長が認められるものの,図1のごとく肝外に膨出した腫瘍部分と硬変部分とで信号強度の差を認め難い,転移性肝癌は肝辺縁部において描出され易く,T1計算像によつてT1値をデジタルで示し,ヒストグラムやプロフィル表示などの画像処理をおこない,T1緩和時間が健常部より延長している例を供覧する(図2).またパルス系列を変え,T1およびT2緩和時間計算像をつくつた転移性肝癌の症例を示す(図3,4),肝でよく描出されるのは脂肪腫や海綿状血管腫であり,嚢胞もX線CTと同様に鮮明に認められる.
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