シリーズ・がん集学的治療—いま,放射線療法は・6
膵癌の術中照射
高橋 正治
1
,
芝本 雄太
1
,
平岡 眞寛
1
,
阿部 光幸
1
,
眞辺 忠夫
1
,
鈴木 敞
2
1京都大学医学部放射線医学教室
2京都大学医学部第1外科学教室
pp.87-90
発行日 1986年1月20日
Published Date 1986/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209234
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はじめに
膵癌の根治的治療は手術以外にないといえるが,CTを含む画像診断や腫瘍マーカーによる診断技術の進歩にもかかわらず,早期診断が困難であり,診断確定時には手術適応をこえている症例が大部分を占めているのが現状である.たとえば,京都大学第1外科における切除可能例は33%にすぎず,また切除可能例といえどもその成績はきわめて不良である1).この現状を打開するために,本邦のみならず米国においても術中照射法が適用されてきた2,3).
電子線による術中照射法については,本シリーズにおいてもすでに述べてきたが(胃癌の術中照射),その利点を要約すると,
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