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海外文献紹介「膵癌の術前照射」
小林 世美
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1愛知県がんセンター第1内科
pp.896
発行日 1981年8月25日
Published Date 1981/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113471
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Preoperative Irradiation in Carcinoma of the Pancreas: M.V. Pilepich, H.H. Miller(Cancer 46: 1945~1949,1980)
最近の文献で,膵癌の5生率は0.4%と報告されている.治療法としては,やはり外科的切除に頼らざるえお得ないが,それだけでは予後は向上しそうにない.そこで術前照射が切除率を改善するかどうか.あるいは術後の再発を減少させるかどうかが本論文の目的である.17例の膵の腺癌が術前照射の対象となった.いずれも内科的検討では手術可能とされ,開腹術を施行したところ,11例は全く手術不能とされ,他も切除が難しいとの理由で,15例に吻合術が施行されたにすぎなかった.その後コバルト60またはベータトロンで,1日200ラッズで4,000~5,000ラッズが照射され,5~8週後に再び切除を試みた.再検査の結果11例が第2回目の開腹術を受け,6例で切除可能であった.うち5例では根治切除ができた.いずれも頭部癌だった.腫瘍は著しく退縮し,1例では顕微鏡下でわずかの癌遺存があったにすぎなかった.予後は,切除できなかった例では,13ヵ月以上の生存者はなく,切除例中2例は5生例である.
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