Japanese
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臨床報告
成人におけるDysphagia lusoriaの1手術治験例
Dysphagia lusoria:a case report and review of diaenosis and treatment in adults
村上 卓夫
1
,
石上 浩一
1
,
正木 康史
1
Takuo MURAKAMI
1
,
Kohichi ISHIGAMI
1
,
Yasushi MASAKI
1
1山口大学医学部第2外科
pp.1589-1594
発行日 1985年11月20日
Published Date 1985/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209188
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はじめに
異形鎖骨下動脈により,食道・気管が圧迫されて呼吸障害,嚥下困難をきたす症例は,乳幼児においては比較的多く報告されている.成人における異形右鎖骨下動脈による嚥下障害をきたす例は,乳幼児のそれに比べて稀である.またその治療に関しても,成人では乳幼児の場合と異なつて,異形右鎖骨下動脈の結紮,切離のみでは,上肢の壊死や虚血による前腕の脱力感,間歇的疼痛,またsubclavian steal mechanismによる二次的な脳症状を呈することがある.
われわれは成人男性で,嚥下障害を主訴とし,術前の諸検査でdysphagia lusoriaと診断し,手術による血行再建により治癒した症例を経験したので若干の考察を加えて報告する.
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