カラーグラフ 胆道疾患の外科病理・3
石灰乳胆汁
木下 博明
1
,
酒井 克治
1
,
長田 栄一
1
,
福嶋 康臣
1
1大阪市立大学医学部第2外科
pp.1317-1319
発行日 1985年10月20日
Published Date 1985/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209139
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本症の臨床像
石灰乳胆汁は比較的稀な疾患とされてきたが,本邦ではこれまでに300数例が報告され,その発生頻度は胆石症手術症例の約1〜3%である.男女比では1:2.7と女性に多く,30歳から40歳代に多くみられている.主な症状は腹痛で,胆石症一般とほぼ同様であるが,黄疸,発熱をみることは少ない.一般に病悩期間が長いが,無症状に経過する例もかなり多い.ちなみに最近12年間の自験石灰乳胆汁症例は13例で,同期間の胆石症657例の1.97%に相当した.胆石症初回発作より手術までの期間は平均4.3年で,初回発作時胆嚢造影を受けた症例は胆嚢造影陰性例と診断されている.
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