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文献抄録
ヒトにおける膵十二指腸移植
Pancreaticoduodenal transplantation in humans
篠田 政幸
1
1慶応大学医学部外科
pp.792
発行日 1985年6月20日
Published Date 1985/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209038
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4名の若年性発症型糖尿病の患者に,全膵,脾,十二指腸(空腸も含む)を含む複合臓器移植が行われた.患者は,男3例,女1例,年齢は30歳から42歳,病悩期間は23年から29年で,インスリン投与を必要としており,進行した腎障害のため,全例が3週間から7カ月以前に腎移植を受けていた.
グラフトは,ドナーの大動脈より冷却Ringer液あるいは冷却Collins液を灌流後切除され,冷却Collins液中に保存後患者に移植された.冷却阻血時間は45分から140分であつた.グラフトは患者の左後腹膜腔に置かれ,その腹腔動脈及び門脈は総腸骨(または外腸骨)動静脈に吻合され,腹腔内で腸管の吻合が行われた.2例は腎移植が左後腹膜腔に行われていたためグラフトは右側に置かれた.免疫抑制剤としては,腎移植から引続いて膵十二指腸移植の前後でサイクロスポリンとステロイドが使用された.
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