Japanese
English
特集 腹膜炎治療のノウ・ハウ
術前・術後の管理—輸液・栄養管理
Perioperative fluid therapy in acute peritonitis
小野寺 時夫
1
Tokio ONODERA
1
1東京都立府中病院
pp.203-205
発行日 1985年2月20日
Published Date 1985/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208934
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
急性腹膜炎の病態生理は,主に体液バランスの失調と菌血症によつて惹起される.
術前可及的速かに体液バランスの失調を是正することが重要で,失調状態のままで手術を施行すると,術中・術後にショックに陥る危険がある.急激な細胞外液の喪失によるものであるから,乳酸加リンゲル液を主体として用いる.外傷や穿孔などで大量の糞便が腹腔に洩出したような場合は,術前輸液に時間をかけることなく,可及的早期手術に踏み切る必要がある.急性腹膜炎術後は,体蛋白の消耗が高度であるが,高カロリー輸液の進歩した今日でも,術直後の時期の栄養補給は余りに欲ばらず,術後数日して一般状態が安定した時期から積極的高カロリー投与に移行する.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.