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特集 腹部手術後の輸液—私はこうしている
消化器手術後の輸液
Guidelines for the dosage of intravenous prouision of fluid, electrolyte and nutrient substances in the postoperative period of the digestive organs
小野寺 時夫
1
Tokio ONODERA
1
1東京都立駒込病院外科
pp.167-174
発行日 1977年2月20日
Published Date 1977/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206675
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はじめに
消化器手術は,術後の輸液に関連するいくつかの特徴がある.i)単なる摘出や切除などと異なり.消化器の再建を伴うことが多い.ii)したがつて,術後一定期間経口摂取が不可能で,経口摂取が可能になつても徐々に増量する必要があるため,経口栄養が十分できるまで日数を要する.iii)消化器の手術を要する患者は,原疾患に起因して栄養障害を伴つていることが多い.このことは吻合不全などの危険な合併症の発生に連なる.iv)胃液吸引や外瘻造設のため消化液の異常喪失を伴うことが多い.
以上の特徴から,消化管術後の輸液は,一般の術後輸液より水分・電解質バランスに注意を要し,輸液施行期間も長くなり,また単に水分,電解質投与のみならず,同時に栄養補給を行なうことが重要である.
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