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特集 腹膜炎治療のノウ・ハウ
術前・術後の管理—抗生物質の使い方
Use of antibiotics in the surgical treatment of peritonitis
相川 直樹
1
,
鈴木 啓一郎
1
,
石引 久弥
1
,
阿部 令彦
1
Naoki AIKAWA
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.207-213
発行日 1985年2月20日
Published Date 1985/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208935
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消化器外科で問題となる続発性細菌性腹膜炎は,一次感染としての腹膜炎,外傷後腹膜炎および術後腹膜炎に分類される.これら腹膜炎の主要原因菌は,一次感染では感染源となつた腹腔内臓器の常在菌,外傷後では常在菌ならびに外来性細菌である.術後腹膜炎の原因菌は多様であり教室の成績では,E.faecalis,P.aeruginosa,Enterobacter,インドール陽性Proteusが多くみられた.
急性細菌性腹膜炎の治療の原則は,すみやかな外科的ドレナージと抗生剤の適切な投与である.抗生剤の選択にあたつては,発症直後では原因菌を推定し,これらに殺菌的な抗菌力を有する薬剤を点滴静注により投与する.さらに薬剤の腹腔内移行性や耐性菌の現況も考慮する必要がある.
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