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特集 肝臓癌のTAE療法
成績からみたTAE療法の検討—現状における問題点について
Evaluation of transcatheter arterial embolization therapy for hepatocellular carcinoma:current problems and future
木村 道雄
1
,
小林 敏生
2
,
大藤 正雄
2
Michio KIMURA
1
,
Toshio KOBAYASHI
2
,
Masao OHTOH
2
1国立千葉病院内科
2千葉大学医学部第1内科
pp.987-993
発行日 1984年7月20日
Published Date 1984/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208760
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はじめに
近年,カテーテルを用いて選択的に腫瘍栄養動脈を塞栓する肝動脈塞栓療法(TAE)がGold—steinら1),山田ら2)により行われ,引き続いてこれを有効とする報告3-13)が多数みられ注目を集めている(表1).
しかしこれらの報告を詳細に見ると,なおいくつかの検討すべき問題点が残されている.一つには,この様な治療成績を論ずる場合には対照群を置く事がまず基本とされるのであるが,その様な基本的手法を踏まえての検討が不十分である.また肝機能などの病態に基づく適応についての検討,腫瘍縮小効果がそのまま予後の改善につながるかどうかについての検討,腫瘍の大きさ,進展度,腫瘍塞栓の有無などと対比した治療効果の検討などの問題が残されている.さらには,塞栓物質,抗癌剤の併用及び塞栓範囲など手技,方法に関しその根拠についての基礎的検討が尽くされていない.
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