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特集 肝臓癌のTAE療法
TAE療法とその応用—私はこうしている
Combination therapy by TAE and hepatectomy for hepatocellular carcinoma
山崎 晋
1
,
長谷川 博
1
,
幕内 雅敏
1
Susumu YAMAZAKI
1
,
Hiroshi HASEGAWA
1
,
Masatoshi MAKUUCHI
1
1国立がんセンター病院外科
pp.955-959
発行日 1984年7月20日
Published Date 1984/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208755
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はじめに
TAEは元来切除不能肝癌に対する治療法として登場した.一方,いわゆる「切除可能な肝癌」では文句なしに,切除療法を適応することが良いとされていた.しかし肝癌の切除症例が次第に集積されてきて,切除後の予後が明らかになるにつれ切除療法の限界もだんだん明らかになつてきた.本邦の肝細胞癌(HCC)の大部分は硬変肝に発生するという事情が,HCCの治療を難しくしている一つの要因である.肝硬変合併HCCに対する肝切除は,HCCにたいしては勿論"治療"であるが,肝硬変に対しては間違いなく,"増悪因子であり,切除可能HCCに対して肝切除をすることは,「癌は治しても肝硬変を悪くする」こともあり,必ずしも延命効果につながらない1).したがつてHCC治療で一番大切なことは,HCCと肝硬変とに対して,いかにバランスのとれた治療を行うかということである.ここで抗腫瘍効果もかなりあり(化学療法より数段すぐれている),一方,肝毒性も肝切除にくらべて数段穏やかであるTAEが,HCCに対する治療法として,注目される所以であろう.
さて我々は,肝切除に先立つてTAEを行うという試みを行つている.
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