対談
術中トラブル対処法は卒後トレーニングにあり
真栄城 優夫
1
,
牧野 永城
2
1沖縄県立中部病院外科
2聖路加国際病院外科
pp.907-921
発行日 1984年6月20日
Published Date 1984/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208750
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卒後教育は実践的に
牧野 私,日本の大学の医局に6年半ぐらいおりましてからアメリカへ行つたんです.ですから向こうの教育とこちらの教育とがよく比較できたんです.結局,6年間いる間に私がやつた手術というと,日本ではうんと限られてしまうんですね.なにせ50床のところに50人の医者がいるんですから,回つてくる手術は限られているでしよう.そして,大きな手術は教授がやるというのが伝統的習慣だつたし,それから,よくいわれていたのは,手術というのはアシスタントをやつて鉤を引いていても覚えるものだということです.
私たちもそうなのかなと思つていたけれども,実地の手術としてはその頃はトランクといつていましたが,医局におりながら1年に1〜2回短期間,田舎の病院に行つて実習してくる習慣があつた.これはいまでもかなりやられている方法ではないかと思いますが,私はこれが指導者のいない病院に行く場合には,社会的な問題さえ含んでいると思うんです.というのは,初めてやる手術を指導者なしで独立してやるというのはかなりの危険性があると思うんです.
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