Japanese
English
臨床報告
術後に発生した非閉塞性腸管梗塞の2例
Two cases of nonocculsive mesenteric infarction after major surgery
望月 泉
1
,
西平 哲郎
1
,
佐々木 久雄
1
,
前山 俊秀
1
,
大熊 恒郎
1
,
佐藤 吉明
1
,
葛西 森夫
1
,
横山 安邦
2
Izumi MOCHIZUKI
1
1東北大学医学部第2外科
2公立相馬病院外科
pp.423-426
発行日 1984年3月20日
Published Date 1984/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208596
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はじめに
非閉塞性腸管梗塞nonocculsive mesenteric infarctionは,1958年Ende1)により最初に記載されたが,腸間膜動静脈が血栓・塞栓あるいは血管炎などにより器質的に閉塞するためでなく,機能的閉塞のために腸管が阻血さらには壊死におちいる重篤な疾患である.急性腸間膜血管閉塞症の12%から50%をこの非閉塞性腸管梗塞が占めると言われているが,病態生理学的には心拍出量の低下,低血圧,循環血液量の減少などで生ずる腸間膜血管攣縮と考えられている2).
著者らは最近,食道・胃重複癌例と,腹部大動脈瘤例の2例の術後に発生したnonocculsive mesenteric in—farctionを経験し,2例ともに緊急大量腸切除術を行い,うち1例を救命しえたので報告し,本症の診断治療についても文献的考察をあわせ述べる.
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