Japanese
English
臨床研究
高齢者における膵頭十二指腸切除術の検討—とくに膵外分泌能を中心に
A study of pancreaticoduodenectomy in the aged patients, with reference to exocrine pancreatic function
児玉 求
1
,
田中 恒夫
1
,
清光 六郎
1
,
竹内 仁志
1
,
原田 光雄
1
,
伊藤 信昭
1
,
児玉 治
1
,
江崎 治夫
1
Motomu KODAMA
1
1広島大学医学部第2外科
pp.1363-1366
発行日 1983年9月20日
Published Date 1983/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208440
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はじめに
平均寿命の延長,それに伴う老人人口の増加により,高齢者に対する腹部手術も増えてきた.そして術前,術後の管理,麻酔法の進歩により手術適応も次第に拡大され,最近では80歳を越える高齢者の腹部手術も稀ではなくなつてきた.高齢者の定義についてはまだ一定したものはないが,術前,術後の合併症,死亡率の検討から一般に70歳以上を高齢者とするものが多い1,2).また第65回日本外科学会シンポジウムでは65歳以上を老人外科の対象とする提案もなされている.
膵頭十二指腸切除術(PD)は腹部外科の中でも最も大きな手術の1つであり,しかも対象例の大部分が膵頭部領域癌であるため肝障害,膵障害を伴うことが多い.そのため現在でも70歳以上の高齢者に対するPDは比較的めずらしい.今回,われわれは65歳以上を高齢者として取り扱い,その手術成績,膵外分泌機能の面より検討を加えた.
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