Japanese
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特集 鼠径・大腿ヘルニアの話題
鼠径部のsurgical anatomy
Surgical anatomy of the inguinal region
牧野 永城
1
Eiki MAKINO
1
1聖路加国際病院外科
pp.971-976
発行日 1983年7月20日
Published Date 1983/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208370
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はじめに
鼠径・大腿ヘルニアの手術を正しく行うために最も重要なのは,鼠径部の正確な解剖の知識である.一般の外科医が本人はよく知つているつもりでも,実はよくわかつていないことが多いのも鼠径部の解剖である.鼠径部の解剖に,かなり難解な部分が多いことは欧米のヘルニアの専門家といわれる学者達の間で,いまなお意見の違いがあつて論議の続いていることでもわかることであろう.鼠径ヘルニアは,おそらく外科手術のうち最も数多い手術であり,その手術には外科医たる者,すべてに熟練が要求される.その最も基本になるのが解剖の知識なのである.その解剖も結局は指導医の下に実地の修練を重ねて得られるもので,本だけで得られるものではないのだが,ここではその習得にいくらかの助けにでもなればと思い,成人外鼠径ヘルニア手術の手順を追う形で解説を試みてみたい.
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