特集 吻合法—目でみるポイントとコツ
消化管吻合法
食道摘除術—食道胃管吻合
渡辺 寛
1
1国立がんセンター病院外科
pp.753-756
発行日 1983年6月20日
Published Date 1983/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208323
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食道の臓器特異性には,①漿膜を欠くこと,②粘膜の厚さに比べ筋層が極端に厚いこと,③粘膜層と筋層間の移動が激しいこと,④?離あるいは切断により容易に短縮すること,⑤粘膜がうすいことなどがある.以上の特異性を考えると,食道を吻合する適切な操作としては,①粘膜を確実にとらえる操作,②厚い筋層全層に糸が確実に通る操作とが要求される.
以上の理由から,私が常用する食道胃吻合法は,①層々(2層)吻合,②断端吻合,③結節縫合である食道胃断端層々(2層)吻合術である.そして食道の2層の内容は粘膜と筋層との移動を制限し,粘膜の損傷を最少限にすることを満たすために,内層は粘膜上皮,粘膜下層そして内輪筋の1/2層の構成となり,外層は内輪筋の1/2層と外縦筋層としている.
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