新形影夜話・5
思いもよらぬ術後合併症
陣内 傳之助
1,2
1大阪大学
2近畿大学医学部附属病院
pp.650-651
発行日 1983年5月20日
Published Date 1983/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208308
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手術の失敗の多くは,患者の一般状態が不良であつたり,慣れない手術をしたり,手術の適応範囲を越えていたりした場合に起こるものであつて,こんな場合には術中か術直後にこんな合併症が起こるかも知れないとほぼ予想されるものであるが,稀には,やりなれた手術で,しかも至つて順調に手術も終り,患者や家族にも「手術はうまくゆきました.大丈夫ですよ.」と告げた手術が,まつたく思いもかけぬ合併症を起こすことがあるものである.こんなときほど外科医にとつて困ることはない.
この原因を後からよく考えてみると,やはり思いもよらぬ些細な点にその原因があつたことに気づくものである.
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