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特集 癌手術と再建
甲状腺進行癌手術における喉頭・気管の再建
Reconstructive operation for cancer therapy:laryngo-tracheal reconstruction for surgical treatment of advanced thyroid cancer
宮川 信
1
,
山本 香列
2
Makoto MIYAKAWA
1
,
Katsura YAMAMOTO
2
1信州大学医学部第2外科
2信州大学医学部耳鼻咽喉科
pp.469-473
発行日 1983年4月20日
Published Date 1983/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208281
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はじめに
甲状腺癌の生物学的特徴として,組織型によりその性格が著しく異なる点があげられる.分化癌の予後は比較的良好であるのに対し,未分化癌のそれは全く予後不良である1).しかし,分化癌の予後が良好であつても,その非治癒切除例の予後は良好ではない(図1).したがつて分化癌に対しては隣接臓器への浸潤に対してでき得る限りの摘除を試みるべきである.
甲状腺癌で手術を行つた849例(1953年〜1981年)のうち399例,約47%が気管壁に癒着が認められた.その処理の適否が予後を左右することはいうまでもない.ちなみに,甲状腺癌の直接死因についてみると,乳頭癌においてその約30%が気道圧迫によつて死亡している2).したがつて,この気道圧迫をなんとか減少させることが治癒率向上にっながるわけである.われわれは,気管壁に浸潤した部位,程度によつて気管切除法を次のごとく選択して行つている.
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