特集 外科外来マニュアル
私の治療
総論
血腫の処置
大谷 五良
1
1三井記念病院外科
pp.826
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208039
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□外傷後の場合
外傷による血腫の好発部位は頭部,顔面,上腕,大腿などで,血流の豊富な部位,軟部組織のすぐ下に骨のある部,比較的大きな外傷の受けやすい部などをいうことになる.頭部の場合はいわゆるコブを作ることが多いが,顔面などは皮下組織が柔らかいので,血腫を形成するというより,皮下に広い溢血斑を呈することが多い.四肢の場合に大きな外力を受けていて,骨折を伴うことがあるから注意を要する.
いずれの場合でも一応血友病など出血性素因があるかどうかを問診することが必要であるが,貧血様の顔貌を呈しておれば血管検査を行つて,かくれた原病の存在を疑つてみる必要がある.
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